1.テルミンの製作小手調べ

”ダイソーのAMラジオ3個がテルミンになるらしい”(*1)、 とか”雑誌のふろくにテルミンがついていた”と云うキーワードがwebに出ていました。
以前から興味を持っていたので演奏し易いテルミンの製作を目指してスタートしました。


(1) 3台のラジオでできるテルミンの実験

ラジオはダイソーでなくてもポケットラジオなど小型のものが3台あれば良いです、写真はアイワ製。
演奏気分を味わうには1台はカバーを開けて局部発振回路のバリコン端子に
リード線を半田付けしてロッドアンテナを接続するするとテルミンらしくなる。

3台のラジオを写真のように並べます。
3台のラジオのチューニングのポイント(粗調整)
  中央はなるべく高い周波数にして(例:1600kHz)、音量VRを上げる。
  両側のラジオは取り敢えずIF周波数分低い周波数(例:1145kHz)にする音量は最低。
  左側のラジオを調整して中央のラジオからピコッと音が出る点を探す。
  右側のラジオを調整して中央のラジオからピーとかブーの発振音が出るようにする。
  
微調整
  アンテナと手の間隔を変えて音程の巾が広くなるように左右のラジオのダイアルを微調整する。
  アンテナから30cm〜40cm位手を離した所で音がでなくなれば調整は完了です。

音量調整は略式で左のラジオを遠ざけると音量が小さくできます。


(2) 3台のラジオでできるテルミンの原理


(*1)ではなぜラジオがテルミンになるのか原理的な説明の出ているところが見つからなかったので自分なりに考えてみました。
誤りがあればご指導願います。
中央のラジオはチューニングをした1600Khzを受信します(*1)。
両側のラジオはIF周波数(455kHz)低い周波数に(約1145kHz)チューニングされています。
この時の両側のラジオの局発回路はIF周波数(455kHz)分高い周波数(約1600kHz)で発振することになります(*2)。
右側のラジオに追加したロッドアンテナに手を近づけたり遠ざけるとアンテナと手の間の浮遊容量が変化する事でこのラジオの局部発振周波数が変化します。
両側のラジオのチューニング周波数は同じでなく少しずれるので中央のラジオはこの2波を受信して差の周波数が可聴音として聞こえテルミンとなります。
 
これは周波数の接近した2局の電波が干渉してビート障害となることと同じ原理と考えられます。
注) *1:AMラジオの受信できる最低周波数よりも500kHz以上高くて放送局の無いところに決める。
   *2:455kHz以外の場合もあります、ちなみに私の買ったダイソーの300円(200円)ラジオは465kHz。



(3) バットディテクターで作るテルミン(電源は6Vの乾電池)

テルミンもバットディテクターもヘテロダイン周波数変換を利用していることからバットディテクターの基板があればラジオ3台よりも本格的なテルミンの実験ができるとの確信を得て、
早速実験に取りかかりました。
写真は当サイトのバットディテクターのページで販売しているBD-AS13のローカルオシレターの基板2枚とBD-5の基板1枚を使用して作ったテルミンの外観です。

上記の(1)と比較すると左右の小さい基板2枚が両側のラジオに、中央の基板が中央のラジオに相当します。
ラジオ3台のテルミンよりも大幅に音程が取りやすくなっています。
後は音量用の回路を組み立てれば本格的なテルミンに1歩近づくことになります。
これを改良して専用基板にまとめればmb-labo製テルミンの1号機が完成する見込みです。


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