BDの性能についてご存知ですか                            NEW 2014.7.31

蝙蝠調査をされる方に重要なお知らせ:

1)高域の感度が極端に低い機種があります。

ある研究者から新しく購入したバットディテクターが”目的のこうもりの姿が見えているのに反応しなかった”とお聞きしました。
広帯域BDチェッカー(10KHz以下〜200KHz以上まで発生可能)を使用してMini-3(*1)と相対的な感度比較をしました。
自動検知、手動検知(ヘテロダイン)とも40KHzより高い周波数(高域)での感度がMini-3よりも著しく低いことが判明しました。
念のため4台比較しましたがほぼ同じ状況でした。


調査に使用されるBDはMini-3または類似の機種と比較の上使用されるのが良いかと思われます。
BDは魅力的な機能や便利な機能よりも感度の良い機種を使用しないと調査そのものが全く無意味な結果になってしまう恐れがあります。

ごく一部のBD以外(*2)は感度を数値で示していません。
BD用に使用している超音波センサーは大変微妙な特製に依存しているからです。
殆んどのBDは40KHz以上の高域で感度が低下しており、高域での感度低下の程度はBDの機種により違いがあります。

100KHz位まで特性が明らかにされているマイクもありますがマイクだけの価格が数十万円もします。
数年前まではコンデンサーマイク使用と明記されている以外の機種では一般オーディオ用のELマイク(20Hz〜10KHzまたは20Hz〜20KHz)から
BDとして使用できるマイクをセンサーとして使用していました。
最近はMEMS型の超音波センサーが入手できますが帯域は65KHzまでとされています。
mb-laboでの調査では高い周波数では注意して選ばれたELマイクの方が良い結果が出ています。

BD用センサー(マイク)やBDの方式について詳しくは当サイトの”即解・バットディテクター”をご覧願います。

mb-laboでは広帯域BDチェッカーを使用して機種間の相対的な感度比較をお引き受けできます

 


注 *1
なぜMini-3と比較するのか。
MIni-3はヘテロダイン式とされていますが他のヘテロダイン式と違い高域の感度が優れています。
他のヘテロダイン式は周波数変換は1回ですが、Mini-3は周波数変換を2回行っています。
帯域を絞って増幅するので高感度が得られる方式です。
super Heterodyne 式の回路はAMラジオ用のICを使用しており、限りなくAMラジオに似た回路となっています。
低い周波数(20KHz)では一般的なヘテロダイン式の方がやや感度が良い傾向にあります。

mb-laboでは10年以上前からMini-3の方式を super Heterodyne と呼んで区別しています。
なお、mb-laboでも super Heterodyne 式BDを製作しております。
最近他社でもスーパーヘテロダイン式と表示されているのを見受けますが詳しいブロックダイヤグラムがでていないので同じ方式か不明です。

注 *2
mb-laboでは参考感度として直進してくるアブラコウモリを目視で測定して表示しています。


2)カタログの表記を鵜呑みにしない

自動検知機能、検知可能周波数域(20KHz〜130KHz)、検知中ピークを表示するので簡単に検知が可能、ボタンで1KHz単位に設定が可能、
高品質プリアンプと特殊マイクロホンを使用など魅力的な機能や特徴がカタログや説明書に書かれていますが調査用として適した機種か見極める必要があります。

mb-laboでは広帯域BDチェッカーを使用して機種間の相対的な感度比較をお引き受けできます。

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自動検知機能:
ある機種は周波数分周方式(frequency division)/フリクエンシーディビジョン方式によりピークを検知して・・と説明されています。
文字通りとれば
大変便利な機能ですがここに落とし穴があります。
実は周波数分周方式(frequency division)はBDの方式としては簡易型で一番感度が低い方式(*3)なのです。

感度が低い方式でピーク表示されるので直ぐ近くに来るまで検知しないことになります。
センサー(マイク)の性能も高域の感度は低いことと重なり、Mini-3(または類似の機種)では検知できても自動検知では検知しないのです。


検知可能周波数域:
仮に20KHz〜130KHzと書かれていてもセンサーそのものの特性が高域で激減しているので感度が良いとか性能が良い訳ではありません。
他の機種と比較しなければ実力は解りません。


検知中ピークを表示するので簡単に検知が可能:
上記の理由で20KHzと80KHzのこうもりが同時に近くでいたとした場合では20KHzが強く表示されるので80KHzが来ていることに気が付きません。
ヘテロダインで手動サーチすれば2種類が近くにいることが判明します。

ボタンで1KHz単位に設定が可能:
MB-laboはすぐ近くで多くのアブラコウモリの観察ができる環境にあります。
目視で観察していると個体によりかなり周波数に幅があることが解っています。
聞き易いチューニングをしようとすると1KHz刻みでは使い難いようです。
ダイアル式のアナログチューニングが使い易いようです。

高品質プリアンプと特殊マイクロホンを使用:
文字表示だけでは全く性能を知ることはできません。
現状ではどの機種とも数値で比較できないので機種間で相対的な比較をしなければ評価できません。


注 *3
当サイトの”即解・バットディテクター”をご覧願います。


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